本章名は,第1節の語にちなみ名付けられる。前章および次章に続く,マッカ初期の啓示である。人間相互の日常の接触上,とくに宗教上のことや高い精神生活面におけるあらゆる種類の詐欺行為が戒められる。
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 (相手にわたす)量や重さを計るときは,少なく計量する者たちである。
3 その日,(凡ての)人間は,万有の主の御前に立つのではないか。
6 断じていけない。罰ある者の記録は,スィッジーンの中に(保管して)ある。
7 スィッジーンが何であるかを,あなたに理解させるものは何か。
8 (そこには完全に)書かれた一つの記録(がある)。
9 災いなるかな,その日,嘘であると言って来た者たちよ,
10 審判の日を,嘘であると言って来た者たちこそは。
11 これを嘘であると言って来た者は,反逆者,罪人に外ならない。
12 わが印が,かれらに読誦された時,かれらは,「昔の物語だ。」と言った。
13 断じてそうではない。思うにかれらの行った(悪)事が,その心の(鋳?)となったのである。
14 いや,本当にかれらは,その日,主(の御光)から締め出される。
15 そこで,かれらに,「これが,あなたがたが嘘であると言ってきたことである。」と告げられるであろう。
17 これに引き替え敬虔な者の記録は,イッリッイーンの中に(保管して)ある。
18 イッリッイーンが何であるかを,あなたに理解させるものは何か。
19 (そこには完全に)書かれた一つの記録(があり),
20 その封印はジャコウである。これを求め熱望する者に熱望させなさい。
26 (アッラーに)近い者たち(善行者)は,その泉から飲もう。
28 本当に罪ある者たちは,信仰する者を嘲笑っていた。
29 そしてかれら(信者)の傍を過ぎると,互いに(嘲笑して)目くばせし,
30 かれらはかれら(信者)を見かけると,「本当にこれらの者は迷っています。」と言う。
32 だがかれらは,かれら(信者)の監視者として遣わされた者ではない。
33 不信者たちは,その行いの報いを受けたであろうかと。
36