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本章は,第1節にある語にちなんで出来事章と名付けられ,マッカ時代初期の啓示である。7章にわたる一群の最後の章で(50章序説参照),審判の日は必ず来て,各人の真の価値は,そのとき調整,決定されることについて(第1―56節),またアッラーの偉力,至善,栄光について(第57―74節),また啓示の真実なことについて(第75−96節)説かれる。
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。  
(起るべき)出来事が起る時,1
   
(誰も)その起るのを,嘘であるとしなくなる。2
   
(或る者は)低く落され,(或る者は)高く挙げられよう。3
   
その時,大地は大揺れに揺れる。4
   
山々は砕けて崩れ,5
   
粉粉になって飛散する。6
   
その時あなたがたは,3つの組に分けられる。7
   
まず右手の仲間(がいる)。右手の仲間とは何であろう。8
   
また左手の仲間(がいる)。左手の仲間とは何であろう。9
   
(信仰の)先頭に立つ者は,(楽園においても)先頭に立ち,10
   
これらの者(先頭に立つ者)は,(アッラーの)側近にはべり,11
   
至福の楽園の中に(住む)。12
   
昔からの者が多数で,13
   
後世の者は僅かである。14
   
(かれらは錦の織物を)敷いた寝床の上に,15
   
向い合ってそれに寄り掛かる。16
   
永遠の(若さを保つ)少年たちがかれらの間を巡り,17
   
(手に手に)高坏や(輝く)水差し,汲立の飲物盃(を捧げる)。18
   
かれらは,それで後の障を残さず,泥酔することもない。19
   
また果実は,かれらの選ぶに任せ,20
   
種々の鳥の肉は,かれらの好みのまま。21
   
大きい輝くまなざしの,美しい乙女は,22
   
丁度秘蔵の真珠のよう。23
   
(これらは)かれらの行いに対する報奨である。24
   
そこでは,無益な言葉や,罪作りな話も聞くことはない。25
   
只「平安あれ,平安あれ。」と言う(のを耳にする)だけである。26
   
右手の仲間,右手の仲間とは何であろう。27
   
(かれらは)刺のないスィドラの木,28
   
累々と実るタルフ木(の中に住み),29
   
長く伸びる木陰の,30
   
絶え間なく流れる水の間で,31
   
豊かな果物が32
   
絶えることなく,禁じられることもなく(取り放題)。33
   
高く上げられた(位階の)臥所に(着く)。34
   
本当にわれは,かれら(の配偶として乙女)を特別に創り,35
   
かの女らを(永遠に汚れない)処女にした。36
   
愛しい,同じ年配の者。37
   
(これらは)右手の仲間のためである。38
   
昔の者が大勢いるが,39
   
後世の者も多い。40
   
左手の仲間,かれらは何であろう。41
   
(かれらは)焼け焦がすような風と,煮え立つ湯の中,42
   
黒煙の影に,43
   
涼しくもなく,爽やかでもない(中にいる)。44
   
かれらはそれ以前,裕福で(享楽に耽り)。45
   
大罪を敢て犯していた。46
   
そして何時も言っていた。「わたしたちは死んでから,土と骨になり,本当に甦されるのでしょうか。47
   
わたしたちの古い祖先も(甦されるの)ですか。」48
   
言ってやるがいい。「そうだとも,昔の者も後世の者も。49
   
必ず一緒に召集されるのである。定められた日の,定められた時に。」50
   
その時あなたがたは(どうであろう),迷って(真理を)虚偽であるとした者よ。51
   
必ずあなたがたはザックームの木(の実)を食べ,52
   
それで腹は一杯。53
   
その上煮え立つ湯を飲む,54
   
喉が乾いたラクダが飲むように。55
   
これが審きの日の,かれらの持て成しである。56
   
われはあなたがたを創った。あなたがたはどうして真実を信じようとしないのか。57
   
あなたがたは,あなたがたの射出するもの(精液)に就いて考えたか。58
   
それを創ったのはあなたがたなのか,それともわれがその創造者であるのか。59
   
われは,あなたがたに死(期)を定めた。われは,(決して)出し抜かれたりすることはない。60
   
だがわれは同類の者で取り替え(世代の交替),またはあなたがたが知らない(他の形態の)ものに,あなたがたを創(り変え)る。61
   
あなたがたは,確かに最初の創造を知っている。それでも何故留意しないのか。62
   
あなたがたは,あなたがたが耕す(畑の)ことを考えたか。63
   
あなたがたがそれ(植物)を育てるのか,それともわれが育てるのか。64
   
もしわれが欲するならば,それを枯れた屑にしてしまう。あなたがたは驚愕して止まない。65
   
(そして言うであろう。)「わたしたちは本当に負債を課せられた。66
   
いや,わたしたちは(労働の成果を)取り上げられた。」67
   
またあなたがたの飲む水に就いて考えたか。68
   
あなたがたが雲から(雨を)降らせるのか,それともわれが降らせるのか。69
   
われがもし欲するならば,それを塩辛くすることが出来る。あなたがたはどうして感謝しないのか。70
   
あなたがたは,灯火に就いて考えたか。71
   
その(燃やす)木を,あなたがたが創ったのか,それともわれが創ったのか。72
   
われはそれを教訓とし,また荒野の住民の便利のために創った。73
   
だから偉大であられるあなたの主の御名を讃えなさい。74
   
わたしは,沈んでゆく星にかけて誓う。75
   
それは本当に偉大な誓いである。もしあなたがたに分るならば,76
   
本当にこれは,非常に尊いクルアーンである。77
   
(それは)秘蔵の啓典の中に(書かれてあり),78
   
清められた者の外,触れることが出来ない。79
   
万有の主からの啓示である。80
   
これは,あなたがたが軽んじるような教えであろうか。81
   
またあなたがたは(それを)虚偽であると申し立て,あなたがたの暮らしを立てるのか。82
   
それならあなたがたは,(臨終の人の魂が)喉もとを塞ぐ時,83
   
(座って只)見守るばかりなのか。84
   
われはあなたがたよりもかれに近いのである。だがあなたがたには見えはしない。85
   
あなたがたがもし(来世の)報いを除外されているというのなら,あなたがたは何故,86
   
その(魂)を(体内に)呼び戻さないのか。もしあなたがたが,真実(を語っているの)ならば。87
   
もしかれが,(アッラー)に近付けられた者であるなら,88
   
(かれに対する報奨は)安心と満悦,そして至福の楽園である。89
   
もしかれが,右手の仲間であるならば,90
   
「あなたに平安あれ。」と右手の仲間から(挨拶される)。91
   
もしかれが,嘘付きで,迷った者であるならば,92
   
煮え立つ湧の待遇を受け,93
   
獄火で焼かれよう。94
   
本当にこれは,揺ぎのない確かな真理である。95
   
だから偉大であられるあなたの主の御名を讃えなさい。96