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本章名は,ヌーフの宣教につき記されるにちなみ名付けられる。マッカ時代の初期の啓示である。悪魔と決定的に交わりを絶たねばならない状態になった時,真理と正義の正しい支えを堅持しないならば,悪魔はその腐敗を外部に広く流布することになる。この章の主題は,洪水の前のヌーフの祈りの形で表わされている。他のあらゆる場合と同様に,ヌーフのこの物語は,マッカ時代の聖預言者への迫害に対する比喩である。
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。  
わたしは言いました。『あなたがたの主の御赦しを願え。本当にかれは,度々御赦しなされる。10
   
かれは,あなたがたの上に豊かに雨を降らせられ,11
   
あなたがたの財産や子女を増やし,またあなたがたのために,様々な園や(水の流れる)河川を設けられる。12
   
あなたがたはどうしたのか。アッラーの御親切,我慢強さに対して,望みを持たないとは。13
   
かれは本当に順序よく段階をおってあなたがたを創られた。14
   
あなたがたは,アッラーが7天を如何に一層また一層と,創られたかを考えてみなかったのか。15
   
また月をその中の明りとされ,太陽を(燃える)灯明となされたかを。16
   
アッラーはあなたがたを土から育てられ,17
   
それから,あなたがたは大地に帰され,また起き上らせられる。18
   
またアッラーはあなたがたのために,大地を延べ広げられ,19
   
そこであなたがたは,広い大道を往来するであろう。』といって聞かせました。」20
   
或る時は公に,また(或る時は)密かにかれらに(訴えて),9
   
それでわたしは,声を大きくしてかれらに呼びかけました。8
   
わたしがかれらに,『かれが,あなたがたを御赦しになるのだ』と呼びかける時,かれらは指を自分の耳に差し込み,自分で外套を被って(不信心を)固執し,ひたすら高慢になります。7
   
だが,わたしの呼びかけは,只(正道からの)逃避を増すばかりです。6
   
かれ(ヌーフ)は申し上げた。「主よ,わたしは夜も昼も,わたしの人びとに呼びかけました。5
   
かれはあなたがたの様々な罪を赦し,定められた期限まで,あなたがたを猶予なされます。本当にアッラーの期限が来た時は,猶予されません。もしあなたがたが分っていたならば。」4
   
あなたがたはアッラーに仕え,かれを畏れ,わたしに従いなさい。3
   
かれは言った。「わたしの人びとよ,わたしはあなたがたへの公明な1人の警告者です。2
   
本当にわれは,ヌーフをその民に遣わし,「痛ましい懲罰があなたの民に下る前に,あなたは,かれらに警告しなさい。」(と命じた)。1
   
ヌーフは(更に)言った。「主よ,かれらはわたしに従いません。自分の財産と子女とで,破滅を助長する者にだけ従います。21
   
そして重大な策謀を企みます。22
   
かれらは言います。『あなたがたの神々を捨てるな。ワッドもスフーウも,またャグースもヤウークもナスルも,捨ててはならない。』23
   
かれらは既に多くの者を迷わせました。(主よ)迷いを放任されても,不義を行う者を多くしないで下さい。」24
   
かれらは様々な罪のために溺れさせられ,更に火獄に送られ,アッラーの外には,どんな援助者も得られなかった。25
   
ヌーフは(祈って)言った。「主よ,不信心な居住者を誰一人として地上に残さないで下さい。26
   
もしあなたがかれらを残されれば,かれらは必ずあなたに仕える者を迷わせ,また罪を犯す不信心な者の外,生まないでしょう。27
   
主よ,わたしとわたしの両親を御赦し下さい。また信者としてわたしの家に入る者,また(凡ての)信仰する男と信仰する女たちを御赦し下さい。そして不義を行う者たちには,滅亡の外には(何も)加えないで下さい。」28