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トップ » 聖クルアーン » 衣を纒う者 (アル・ムッザンミル)
本章名は,1節の語にちなみ名付けられる。マッカ時代初期の啓示である。クルアーンの最初の啓示は96凝血章で,聖預言者の40歳のときヒジュラ(聖遷)の約12年前のことであった。その後久しく啓示は中断〔ファトラ〕し(6ヶ月間といわれ,あるいは1年または2年であったともいわれ,その期間は判明しない),その次に下ったのは,68筆章で,それから本車がそれと同じころに啓示されたといわれ,4番目が次の74章であった。なお10,11,20節は,その内容から見てマディーナ時代の啓ホとされる,本章の主題は精神生活上における礼拝の意義と謙虚な行為,また啓示と信仰を拒んだ者に対する恐しい運命に関する教えてある。
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。  
衣を頭から纒う者(ムハンマド)よ,1
   
夜間に(礼拝に)立て,少時を除いて。2
   
夜間の半分,またそれよりも少し縮めて(礼拝に立て),3
   
あるいは,それよりも少し多く礼拝に(立て),そしてゆっくりと慎重な調子で,クルアーンを読め。4
   
やがてわれは,荘重な御言葉(クルアーン)をあなたに下すであろう。5
   
本当に夜間(礼拝)に起きることは,最も力強い歩みであり,御言葉を一層明確にする。6
   
本当にあなたは,昼間は要務で長く追われる。7
   
それであなたの主の御名を唱念し,精魂を傾けてかれに仕えなさい。8
   
東と西の主であられ,かれの外に神はないのである。それでかれを,御槌すべき方として仰ぎなさい。9
   
かれらの言うことを耐え忍び,かれらを離れよ,立派に身をかわせ。10
   
現世の富にあずかって嘘付き呼ばわりする者たちをわれに委ねて,暫くの間かれらを猶与しなさい,11
   
本当にわれの手元には鎖があり,また炎もある。12
   
(喉に)病える食物があり,また痛ましい懲罰がある。13
   
その日,大地と山々は震動し,山々は崩れ流れて,砂の固まりになるであろう。14
   
本当にわれは,あなたがたの証人とするために,使徒をあなたがたに遣わした。われが且つて,フィルアウンに一人の使徒を送ったように。15
   
だがフィルアウンはその使徒に従わなかったので,われはかれを厳しく罰して破滅させた。16
   
もしあなたがたが依然として(アッラーを)拒否するなら,子供が(恐怖のあまり)白髪になる日,あなたがたはどうして自分を守れようか。17
   
その日,天は裂け散るであろう。かれの約束は,必ず完遂されるのである。18
   
本当にこれは訓戒である。それで望む者に,主ヘの道を取らせなさい。19
   
主は,あなたが夜間の殆ど3分の2,また(ある時は)2分の1,または3分の1を,(礼拝に)立つことを知っておられる。またあなたと一諸にいる一団の者も同様である。アッラーは,夜と昼を妥当に計られる。かれはあなたがたがそれを計れないことを知り,あなたがたを慈しまれる。だからあなたがたは,クルアーンを無理にならない程度に読め。かれは,あなたがたの中病める者のあることを知っておられる。また或る者はアッラーの恩恵を求めて,地上を旅し,或る者はアッラーの道のために戦っている(ことを)。だからそれを無理にならない程度に読め。礼拝の務めを守り,定めの喜捨をなし,アッラーに立派な貸付け(信仰のための散財)をしなさい。あなたがたが,自分の魂のために予め行う,どんな善いことも,アッラーの御許でそれを見い出そう。その(善行の)報奨は,最善にして最大である。あなたがたはアッラーの御赦しを請い求めるがいい。本当にアッラーは寛容にして慈悲深くあられる。20