トップ » 聖クルアーン » 割れる (アル・インシカーク)
本章名は,第1節の語にちなみ名付づけられる。マッカ初期の啓示である。多くの神秘的隠喩によって,現在知覚できる秩序は最後のものではなく,アッラーの完全無欠な審判は必ずうち立てられて,平衡の結末を得る。それで人間は,永遠の世界のため,また真実の価値のために,いま努力すべきであることが教えられる。
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。
天が裂け割れて,1
その主(の命)を聞き,従う時,2
大地が延べ広げられ,3
その中のものを吐き出して空になり,4
その主(の御命令)を聞き,従う時。5
おお人間よ,本当にあなたは,主の御許へと労苦して努力する者。かれに会うことになるのである。6
その時右手にその書冊を渡される者に就いては,7
かれの計算は直ぐ容易に精算され,8
かれらは喜んで,自分の人々の許に帰るであろう。9
だが背後に書冊を渡される者に就いては,10
直に死を求めて叫ぶのだが,11
燃える炎で焼かれよう。12
本当にかれは,自分の人々の中で歓楽していた。13
かれは,本当に(主の許に)帰ることなどないであろうと思っていた。14
いや,主はいつもかれを見通しておられる。15
わたしは,落日の夕映えによって誓う。16
夜と,それに帰り集うものにおいて,17
また満ちたる月にかけて(誓う)。18
あなたがたは,必ず一層から他層に登るであろう。19
それでも,かれらが信じないのはどうした訳か。20
クルアーンが,かれらに読唱されると,かれらはサジダしようとはしない。〔サジダ〕21
いや,信じない者は,(それを)嘘であると言う。22
だがアッラーは,かれらの胸に隠すことを熟知なされる。23
それであなたは,痛烈な懲罰をかれらに伝えなさい。24
だが信仰して善行に勤しむ者は別である。かれらには絶えることのない報奨があろう。25